作者から一言

作者註>90年代インディーズ界最強のコミック・パンク・バンド『BAD・TRIP』,左端のギタリストが渡辺カズロウ氏です。「ライブハウス・代々木ウェイ」にて、私が撮影しました。氏は、現在『負け犬』というバンドで、ボーカルをしています。近々、メジャー・デビューするとか、しないとか……。 作者註>同『BAD-TRIP』ボーカルの「江戸・ヴィシャス」さん。ちょっとナルで、非常に凶暴な方です。酒が入っているときに近寄ると、本当に噛みつかれます。現在の消息はまったく不明。

2005年・註>「G.P.S.」というのは、私、鈴木剛介(本名)が、インディーズ時代に使っていた筆名で、「 Gohsuke Paranoia Suzuki as General Problem Solver」の略です。

拝啓

はじめまして。G.P.S(General Problem Solver)です。
当ホームページにアクセスしてくださってありがとうございます。

この『THE ANSWER』というのはどういう本かというと、元『BAD TRIP』のギタリスト、渡辺カズロウ氏の言葉を借りれば、「未完の哲学版『ビューティフル・マインド』」という感じの作品です。

私も『ビューティフル・マインド』の主人公であるジョン・ナッシュ氏と同様に、現在週に一回精神病院に通院しており、躁鬱病/分裂病/誇大妄想の傾向があると診断されています。しかしそうしたことを踏まえた上で、なお、この『THE ANSWER』という本は、これまで人間が書いた本の中で、もっともすごい本だと確信しています。もしかしたら本当にそうかもしれないと思っている人は、私を含めてまだ世界に3人しかいません。だから、みなさんも果たしてこの本が10冊しか売れないか、それとも『ハリー・ポッター』を超える世界的ベストセラーになるか、是非楽しみにしていただきたいのですが、それはともかく、みなさんはテレビや新聞を見ていてむなしくなることはありませんか。様々な時事問題が、取りざたされては忘れられてゆく。偉そうな学者や政治家がもっともらしいコメントを残しては消えてゆき、モグラ叩きが繰り返されるだけで、問題の本質的な解決には決していたらず、世界はカオスとストレスに満ちたままです。

それはなぜか?

もちろん学者や政治家の多くが、目先のことしか考えていない馬鹿だというのも理由のひとつです。しかし、もっと本質的に考えるならば、その答えは、人間の思考にOSというものが、まだ存在していないからです。
いくら様々な理論や思想や制度を開発/発売してみても、それらを包括して処理するOSがない限り、あらゆる問題解決は焼け石に水です。 そして人間が「言葉を使って」何かを考え、決め、行動する以上、そのOSを開発するのは「哲学」の役目なのです。

私はこの本を偉い学者に読んで欲しいとは考えていません。

もちろん本が売れればいいなとは思うし、世間に認めて欲しいという気持ちも多少はあります。しかし、それ以上に、私は世間のジョーシキに異を唱えることのできる柔軟な頭と勇気を持った若い方たちにこの本を読んでいただき、このカオスとストレスに満ちた社会を、世界を、変えるムーブメントを起こしていきたい、というのが正直な気持ちです。
まあ、そんな夢のような話はともかくとしても、少なくともこの本を読めば、難しい言葉を振りかざして偉そうな顔をしている一部の大人たちをギャフンと言わせてやることはできます。なにしろ、私もそうしたエラソーな人たちが大嫌いですから。逆に、子供に、「なんで人を殺しちゃいけないの?」とか「なんで、1たす1は2になるの?」と聞かれて、きちんと返事のできない親御さんや先生にも一読の価値はあると思います。

そういうわけで、もしこの本を読んで共感を覚てくださる方がいらっしゃったらお願いがあります。なにぶんにも小さな出版社からの発売でありますため、宣伝費というものが一切ありません。みなさんのメール等での口コミだけが頼りです。当ホームページにリンクを張って頂けたりしたら助かります。
また、ご意見、ご感想等をいただければ幸いに存じます。

いつか、「無邪気で残酷な子供たち」の前に大人たちがひざまずく日が来る日を夢想しつつ……。

2002年5月 『THE ANSWER』出版の日に。   敬具


……という文章を書いてから、早2年。現在、2004年6月3日13時40分です。
その後、2002年9月に、芥川賞・三島賞作家である大岡玲氏による書評が毎日新聞で大きく取り上げられたことをきっかけに、読者の皆様方から熱烈な反響が寄せられ、友人Wが「アップルシード・エージェンシー」という作家エージェントを紹介した新聞の切抜きを持って拙宅を訪れてくれたとを契機に、エージェントのお陰で数社から再版のオファーが来て、このたびようやく角川書店からメジャーデビューのいたりとなりました。

新風舎営業部の富岡登香さん、エージェントの鬼塚忠さん、角川書店編集者の滝澤恭平さん、装丁を手がけてくれた寄藤文平さん、といった素晴らしい才能を持った方々との出会いを通じて、新風舎版に大幅に加筆・修正を加えて、装いも新たに、満足のいく作品に仕上がったと思っています。

「いつかオレの書いた本を書店の店頭でドカドカ平積みにしてやるぞ!!」と固く心に誓ってから、15年。ようやく「夢」が実現しました。
花火のようにブレイクしなくてもいいから、10年かけて700万部を売るような、太くて長い河のような「本」となることを祈っています。

今の目標は英語版の出版。今後とも、あたたかいご支援のほど、お願い申し上げます。 草々。 

2004年6月 鈴木剛介


……という文章を書いてから、早1年余。その後、いろいろと悩んだ末に専業作家となりました。現在、2冊目の長編となる『自殺同盟軍/The Suicide Alliance』の発売を間近に控え、最後の追い込みに入っています。担当編集者の変更という不測の事態はあったものの、優しく懐の深い新担当の成戸泰介さん(私より10歳も若い!)をはじめ、多くの方々の協力を得て、かなり面白い作品に仕上がったのではないかと自負しております。ディープでカルトだった前作と異なり、今回は、間口の広い明るいテイストの実存的青春エンターテイメントなので、より多くの読者に受け入れていただけるのではないかと思っています。もうすぐ子どもも産まれることだし、売れるといいなあ。

2005年9月 鈴木剛介

……という文章を書いてから、またまた早1年。私も父親になりました。2006年が明けてすぐ、『野生時代』に書いたブックレビューがきっかけとなり、求龍堂のスミエリさんという、若くてカワイイ編集さんから、「是非、ウチと仕事をしてください!!」という熱烈ラブコールをいただき、それが『デブになってしまった男の話』という作品に結実しました。このスミエリさんという編集者は、ものすごい熱意と努力の人で、一緒にお仕事ができてとても嬉しく、また感謝しています。彼女は、5年後か10年後、必ずや「伝説の編集者」となっていることでしょう。また、一緒に仕事させていただきたいなあ。

2006年9月 鈴木剛介

……という文章を書いてから、早8ヶ月。息子もまもなく1歳半になります。河出書房新社から、『人はなぜ生きるのか、答えよ!』が刊行の運びとなりましたが、正直、私は今回の本にかなり勝負を賭けています。西洋系の占い師には、「2008年が世界に飛翔する年、2007年はその準備の年」と言われました。東洋系の占い師には、「2007年は、お金が大きく動く年」と言われました。はてさて、どうなることやら。

2007年5月 鈴木剛介

……という文章を書いてから、早3年。家族は4人になり、永住の地へと転居しました。そして、間もなく人生最大の勝負を賭けた『真理男』(角川書店)刊行。1年後、果たして私は、何を思っているのだろう。

2010年3月 鈴木剛介